接着後から完成まで
フレキシブルレールをケガキ線に沿って接着してから完成まです。接着剤が乾いてしっかりと固定できてからの作業になります。
はみ出した接着剤の処理
しっかりと固定できてから、はみ出したりした接着剤を除去します。先が細いものなどでで剥がしていきます。剥がすのは、枕木の上やレールの側面に付いた接着剤です。レールと枕木の間に入った接着剤は除去することは難しいですが、これはそのままにします。レール側面などに接着剤が付いている場合は、ある程度剥がすことができれば、ペンチでレールを引っ張ると、接着剤の伸び縮みの分だけ動かせるようになります。無理な力を加えるのではなく、前後に小刻みに動かすことを繰り返していくと、だんだんと接着剤が剥がれてきて、引き抜くことができるようになります。
レールが引き抜けたら、レール下面と枕木の間の接着剤など、余計な部分に付いた接着剤を剥がします。ピンセットで引っ張った方が取りやすい場合もあります。また、レール側も、接着剤が付いている部分を剥がします。
なお、接着剤がはみ出ていない場合はそのままするするとレールを引き抜くことができます。またレールがどうにも外せない場合は、無理に外すことは行わず、レールの中央部分で糸鋸で切断することになります。
レールに曲がり癖を付けて切断する
引き抜いたレールを手で曲げて、曲がり癖を付けます。緩和曲線なので、真ん中が一番曲がっていて、両端は真っ直ぐになります。今回のように後で真ん中で切断する方法を取らないと、レールの一番端が一番曲がった状態にする必要があるので、切断前に曲がり癖をつけます。
曲がり癖を付けてから、中央で切断します。糸鋸で切ってから金ヤスリで整える方法と、金属対応のペンチかニッパで切ってから金ヤスリで整える方法があります。
円曲線と繋げる側の切断部分をきれいに処理し終わったら、残りは直線側と繋ぐ部分の切断と整形になりますが、これは実際に枕木に通してから行う方がよいので、後にします。
プラ板と枕木の切断
プラ板の裏に貼り付けている紙は、プラ板を切断すると、一緒に切れたり剥がれたりする場合があります。そのため実際に切断する前に、切断位置の印をプラ板につけます。
真っ直ぐ切る線の両端に釘を打って孔を開けて印を付けたり、金属定規と刃物やケガキ針を使う方法もあるでしょう。プラ板の実際の切断位置がはっきりとわかるようになってから、実際に切断していきます。プラ板は厚みが薄いので、カッター等で切断すれば大丈夫です。フレキシブルレールの枕木の切断は、上から押して切ることのできる、アートナイフを使う方が便利でしょう。
枕木とジョイナーの加工
直線との境界部分は、枕木と接続部分の配置がちょうどよくなっているとは限りません。枕木と枕木の間の部分でカットできるのが一番楽ですが、下線の切断線とは合っていない場合があります。このような場合、長く残す方向で内側と外側の切断位置を合わせることもできますが、下線に合わせて切断することも可能です。
道床付レールの加工
TOMIXのレールの場合では、金属ジョイナーを外し、プラスチックの爪を切断・除去します。金属ジョイナーはKATO固定式のものを使用します。
KATOのユニトラックの場合では、ジョイナーを外し、ジョイナーのプラスチックを枕木方向に切断して半分にします。金属部分は取り外し、固定式金属ジョイナーを使用するためにプラスチック部分を加工します。
レールの長さの最終調整
枕木の切断が終わってプラ板を切断する時は、レールを通した時のプラ板の反り返りを少なくするため、余白を大きく残して切り取ります。プラ板が切断できたら、釘を引き抜いて部分部分に分けます。
曲がり癖を付けているレールを枕木に通す時は、レールのまっすぐな側を、枕木の一番曲がっている側から通していきます。レールを枕木に通したら、カーブレールと繋いでレールの曲がり具合を調整します。調整できたら、反対側のレールの切断です。
直線側のレールの切断は、切断時に膨れたりする部分の長さを考慮して長めに残して切断します。切断後は金ヤスリで削って、ちょうどの長さになるようにします。実際に両側に道床付レールを繋いでみて、長すぎる部分を少しずつ削って短くします。また、プラ板の切断位置が悪くて長く飛び出している場合は、プラ板も切ったり削ったりして短くします。長さがちょうどよくなったら、長さ方向の調整は終わりです。
補強の裏打ち
厚い透明プラ板の場合は真上から見ないと、下線とずれてしまいます。また釘を打ち込んで変形することもあり、薄いものを使っています。
レールは元々真っ直ぐなので、特に曲がり癖を付けなかった場合など(中央で糸鋸で切断した場合など)では、プラ板が反って曲がりやすくなります。また、道床付レールと接続すると、プラ板が浮いた状態になります。なのでプラ板の裏側に、断面が四角や三角のプラ棒を接着します。プラ棒は切断面の返りを処理してから、タミヤセメント白キャップ等のプラモデル用接着剤で接着します。なお、釘が突き抜けた孔の周りはプラ板が曲がっているので、その場所を避けるようにプラ棒を接着してください。
TOMIXのレールと接続する場合は、タミヤの2mm三角棒(直角二等辺三角形)の一番広い面をプラ板に接着すると、床面との隙間は小さくなります。
金属ジョイナーの最終調整
接着剤が乾いてプラ板の余白を切断すれば、基本的に完成です。ただし、実際にレールを接続する時は、ジョイナー部分がうまく繋がるように調整する必要があります。
ベースボードに固定するような常設の場合では問題ありませんが、走行させるたびにレールを接続する場合は、微調整が必要です。レールの上面の高さが同じになっているか、確かめる必要があります。プラ板へのフレキシブルレールの接着や、レールの曲げ具合や、金属ジョイナーの取り付けが上手にできている場合は、調整はあまり大変ではありません。しかし、そうでない場合には調整が少々大変になりますので、がんばってください。高さが違ったり、金属ジョイナーが高く飛び出ていると、車輪が引っかかってしまう場合があります。